SALA 肌着のタオル

2023.07.03 / タオルのあれこれ

「肌着の糸」でつくったタオル、開発秘話


工房織座のタオル創造プロジェクト「水布人舎」では、肌着の糸をループ(パイル)に100%使用し織り上げた、直接肌に触れた心地のいいタオルを、3シリーズ展開しています。

2018年に登場した、初代「やさしい肌着の糸で作ったタオル」。そしてさらに研究をかさね、織り方や密度を改良して2023年から登場した「SALA 肌着のタオル」と「MOFA 肌着のタオル」。




この私たちが織ってつくる「肌着の糸」とは、歴史ある紡績会社「フジボウ」さんで、肌着の用途として紡がれた特別なブレンドの綿糸です。

なぜ、肌着の糸がタオルにつかわれるようになったのか、その開発秘話をお伝えします。


2017年、肌着の糸との出会い

「フジボウ」さんが工房織座に訪ねて来られたのは2017年。肌着業界でも著名な紡績メーカーとして認識はありましたが実際お会いするのははじめて。お話を聞くと、近年、化繊肌着に押されて綿肌着の生産は大きく下がってきているというお話でした。このまま消費量が落ち込むと本当に良い糸もあるのにその生産の存続すら危うくなってくるのだそう。水布人舎のコンセプトには、メーカーの持つ、埋もれている良い素材や織りなどを見直し、商品化して世に発信していくという理念があります。困っているお話を聞きつつ、どうにか今治でタオルとしてその素材を活かせないかと考え、綿肌着の中でも最上の糸でタオルを作ったらすごくいいものになるのでは!?という話に進展していきました。そして、たどりついたのがこの素材です。

水布人舎 肌着の糸でつくったタオルクローズアップ画像


70年変わらない信頼のおける糸

もともとは高級綿肌着用として肌触り・通気性・速乾性・耐久性を考えられて遡ること70年前に研究開発された糸。70年間も変わらない品質で紡がれ続けていることで、信頼のおける素材だと直感しました。
そして、絶対に良いタオルができるという確信に変わりました。
良いタオルに必要な要素は、肌触りの良さ・吸水性・速乾性、そして洗濯回数が多いため風合いの持続性です。その条件を満たしている糸が違う業界でそんな昔からあったなんて、改めて感激しました。


ロングループで、拭き心地のいいものを

それからその素材を上手に料理しくれる今治のタオルメーカーを選び、ともに商品開発へ。2018年、まず最初に作った「やさしい肌着の糸で作ったタオル」は、高密度でロングループで織り上げることにしました。触るとほど、よくしっとりとしたやわらかさを持ちつつも毛羽っぽさは少ない。見た目はツヤがあり上質。毛羽落ちが少なく、十分なふくよかさを持っているタオルが完成しました。

そして2022年、織り方や密度を一から見直して、肌ざわりの良さや毛羽落ちの少なさ、長く使い続けられる新たなタオルの開発にとりかかりました。そして、完成したのが風合いの異なる2種類のタオル、「SALA 肌着のタオル」と「MOFA 肌着のタオル」でした。

糸から織りの組織まで、全てにこだわってつくった自信をもっておすすめできるタオル、ぜひお楽しみください。

MOFA 肌着のタオル 
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