豊田章男会長との写真
NEW

2026.05.09 /

豊田章男会長 ご来訪記 ― 豊田Y式がつないだ、20年越しの時間 (2026.3.11)―

2026年3月11日、トヨタ自動車株式会社 代表取締役会長・豊田章男氏が、工房織座へお越しくださいました。

私たちにとって、それは単に「著名な方が来られた」という出来事ではありません。

20年前。
大正時代に豊田佐吉が生み出した「豊田Y式」、その壊れた織機4台を当社創業者であり職人の武田が持ち帰り、自らの手で修理・改造を重ねながら、新しい織物づくりを始めました。

その頃から、いつかこの機械を、豊田家の方に見ていただける日が来たら――。
そんな思いを、どこか心の中に持ち続けていました。

そして今年の春、その瞬間が本当に訪れました。

豊田章男会長との写真





まずはショップへ

会長はまずショップに立ち寄られ、簡単なご挨拶のあと、豊田Y式で織ったストールや帽子などのプロダクトを手に取りながらご覧くださいました。

「こういった商品はどこで販売しているんですか?」

そんな会話から始まり、私たちは、日本での販売が中心であること、そして近年は海外からの需要も増えていることをお伝えしました。

また、以前ドイツの国際展示会「Ambiente(アンビエンテ)」へ出展した際、豊田Y式で織った“よろけ模様”の織物について、「こんな織物は見たことがない」と海外のバイヤーから高く評価された話もさせていただきました。

この“よろけ模様”は、単なるデザインではありません。
プリントではなく、織りそのもので模様を表現することで、立体感や奥行き、そして独特の力強さが生まれます。

会長にも実際に手に取って見ていただき、その表情からも興味を持っていただけたことが伝わってきました。

豊田章男会長との写真





工房へ ― 実際に動く豊田Y式を前に

その後は工房へ移動し、実際に稼働しているY式織機をご覧いただきました。

豊田Y式がどのような構造を持っているのか。
また、どのような改造を施しながら、現在の独創的な織模様を生み出しているのかについてお話ししました。

会長は、織機を前にかがみ込みながら、豊田Y式の構造をじっくりとご覧になっていました。

豊田章男会長との写真
豊田章男会長との写真

また、シャトルの構造についてのお話もありました。

豊田佐吉が取得した60数件の特許のうちの一つに、
「糸通しが容易なシャトル」の特許があります。

それ以前は、綿埃の舞う環境の中で、織子さんたちが糸を口で吸って通していたそうです。
そのため肺を悪くする方も多かったといいます。

そうした現場を見て、「なんとかしたい」という思いから生まれた特許。

そして会長は、

「佐吉が言っていたのは、常に現場に行くこと。
現場に課題があり、現場に解決がある。」

というお話をしてくださいました。

実際の現場を見続けたからこそ、生まれた発明。
その言葉には、とても重みがありました。



工房で交わされた、和やかな会話

工房では、約100年前の整経機をご覧になられました。
同じような機械が、トヨタ博物館にも展示されているそうです。

その際、会長は、

「御社の社員さん、うちの博物館に働きに来てくれないかな。」

と、笑いながら話される場面もありました。

豊田章男会長との写真

また、昔のトヨタ織機の話題では、当社社長が、

「昔はG型織機が何十台も並んでいたこと」
「後継機では、ハンドルの位置が右だったり左だったりして、教える側も混乱したこと」
「女工さんが混乱して泣いてしまうこともあったこと」

などをお話ししました。

すると章夫会長が、

「なんで決まってなかったんでしょうか?」

と質問。

社長が、

「会長、私も知りたいですよ。教えてくれませんか。」

と返したりと、
工房では終始、和やかな雰囲気の中で会話が続いていました。

豊田章男会長との写真




とても特別な一日の締めくくり

最後には、みんなで記念写真を撮影しました。

そして会長から、一人ひとりにオリジナルのシールを手渡ししてくださいました。

豊田章男会長との写真


今回の訪問では、会長にはお店から工房まで、約1時間にわたりじっくりとご覧いただき、
機械や織物、ものづくりについてたくさんお話をさせていただきました。

そうした何気ない場面からも、
単なる視察や訪問ではなく、
「現場を大切に思い」「人と人との付き合い」を本当に大切にされている方なのだと感じました。

当日は、社長の孫たちも立ち会っており、この特別な出来事にとても喜んでいました。
もちろん、スタッフ一同にとっても忘れられない一日となりました。

20年前、壊れた豊田Y式を持ち帰り、
試行錯誤しながら織機と向き合い続けてきた時間。

その積み重ねの先に、
豊田章男会長に実際に工房へ来ていただき、
機械を見ていただき、製品に触れていただき、
そして現場で会話を交わせたこと。

私たちにとって、本当に特別な出来事でした。

これからも、古い織機だからこそ生み出せる織物の可能性を信じ、
現場を大切にしながら、ものづくりを続けていきたいと思います。

豊田章男会長との写真

※今回のご訪問につきましては、事前に写真撮影およびHP・SNS掲載のご了承をいただいております。




特集┃110年前の織機「豊田Y式」で織る 



職人 武田正利

最近チェックした商品

TOP
再入荷メールを受け取る この商品の再入荷の際にメールをお送りします。利用可能なメールアドレスを以下に入力してください。
Email 入力いただいたメールアドレスは再入荷の通知以外の目的で利用しません。